マレーシアの就職と暮らしメモ

マレーシアの就職、税金、諸手続き、カフェ、暮らしについて

海外就職で得た心の平穏について

f:id:nrtssk:20190127165250j:plain ある日の会社からの帰り道、自分が英語ひとつまともに話せないという事実に急に怖くなりました。「えっ、2018年にもなって!?こんだけインターネットが普及してて!?仕事で使えるレベルの言語が日本語だけ!?え、まじ?」と、妙な実感を伴って慄きました。そして上司にお願いすること約半年、運よくマレーシアに異動となりました。マレーシアで働き始めて約半年がたち、『日本人の海外就職』について思うところもでてきたので、少し書いてみようと思います。

日本国内を覆う漠然とした不安

世界なトレンドとしてのグローバル化に加えて、日本国内でも、日本の近い未来に対するぼんやりとした不安が大きくなってきているような気がします。例えばぼくたちが65,70歳を迎えたときに本当に年金はもらえるのか。コンビニ店員の外国人比率はどんどん増えていくけど、日本人の雇用は失われてしまうのか。日本の大企業の競争力が落ちていく中、いつまで今の会社で今のまま働き続けられるのか。

そうはいっても、「海外就職なんて、日本食レストランか日本語コールセンター、あとは総合商社やメーカーの駐在員くらい。大多数の日本人にはまだまだ遠い話」なんて思ってる人も多いんじゃないでしょうか。

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海外就職は誰にでも開かれている

もちろん本人の努力は必要ですが、海外で働くためにやることはそこまで複雑ではないと思っています。 英語もできず強みとなるキャリアがない人を前提としても、 (1)語学留学して短期間で英語の基礎を身に着け、 (2)日本人として就職しやすい仕事をしながら専門性を磨き、 (3)日本人であること以外の強みをもって就職する の3ステップで実現可能かと思います。(海外転職に関わるキャリアの見通しや、このステップの詳細は、いずれもうすこし詳しく書きます。)

デメリットと向き不向き

もちろん無事にある程度の英語を身に着けて海外で働くに至っても、海外で住む上での不便はめちゃくちゃあります。役所も民間も何もかも日本に比べるといい加減だし、日本のご飯は恋しい。日本の友達には会いたいし、できるうちに親孝行もしたい。温泉にだって入りたい。海外の住環境にマジで馴染めない人もそれなりにいるだろうし、目指すキャリアパスが明確な人にとっては、遠回りになる場合もある。海外就職というのは誰にでも手放しでおすすめできる選択肢ではないです。

けど一方で、1年前の僕のように、漠然とした不安でそわそわしている人も、少なからずいると思います。この国で踏ん張った先に幸せな未来はあるのか。この会社で頑張った先に救いはあるのか(激務界隈で働いている人間は得てして『救い』を求めがちーーー)。日本社会の同調圧力や、世間みたいなものに真綿で首を絞められているような息苦しさ。どこかでずっと自分の居場所を探しているような、微かな違和感。

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海外就職を経て

そんな言いようもないもどかしさ、落ち着かなさが、海外就職を経てある程度解消された感じがしました。

1年後、2年後の働き方についてはまだまだ決めていません。学生の頃から好きだった南米アルゼンチンに住んでみたい。スイスあたりの湖がきれいな場所にも住みたい。一度日本に帰るのもいい。作ってみたいアプリがあるので、しばらく勉強してみるのもいい。サラリーマン以外の働き方を選ぶこともできる。

そんないくつかの選択肢を考えるときに、今の海外就職がちょっとの安心をもたらせてくれるように感じます。もし日本がまたしんどくなったら、ほかの国でも働ける。日本以外のどこかで居を構えて、銀行口座を開いて、その国の人や他の国から来た人たいと毎日顔を合わせて働いて、遊んだり、季節のイベントを祝ったり。もちろん日本にいたときみたいに、好きな上司ができたり、合わない同僚ができたり、大事な友達ができたり。

だから少なくとも僕は、来てよかったって思う。数年後に何が起こっているかまったく読めないような今の時代を生きる上で、結果的に一つのリスクヘッジとなったように思う。